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2010.01.03

助成金のあり方

昨年暮れ(2009年12月初め)にイギリスからメールが届きました。

2010年にチッキンシェッドが夏に来日して、みやぎダンスと合同で日本国内公演を行う予定でしたが、助成金が集まらず渡航できないとの内容でした。金融ショック以来、イギリスでも助成金獲得がむずかしくなってきているのでしょうか。

かなり前から準備してきたので公演中止は大きなショックでした。そんなことから助成金について考えてみた。

助成金の考え方が日本とは違うようです。日常活動に国の助成金や民間や市民の寄付が集まるイギリスです。日本ではイベントには助成金がでますが、通常活動・組織運営費には助成金が出ません。特に組織維持のための人件費は殆ど場合、日本では認められていません。

昨年の事業仕訳では、芸術文化(スポーツもですが)への助成金はかなり不要なものとして扱われた感がします。インクルーシブ活動(運動)への公的助成は日本では欧米に比べるとまだまだ少ないと思っています。

日本の助成金・補助金は1回限りのイベントなどに対して、いわゆる”箱もの”には出します。一方で、活動の基礎の部分には出ないのが多いと感じています。確かに徐々にはありますが”1っ発もの”より継続事業に助成金がつくようになるつつありますが、まだまだ少ないと思います。

助成金の応募要綱をいくつか見てみるとわかるのですが、組織運営の人件費は助成対象外とされています。自分たちの活動に賛同し応援してくれている舞踏家や振付師、音楽家、指導者の方々が会員・役員の場合、そのかたがたへの人件費は助成対象外なのです。経常的に応援してくれている方にはでないが、出演者や、外注契約の人件費は出るのです。

イギリスなどでは、芸術家やダンサーなど組織を経常的に指導したりする方への人件費は公費助成の対象なのです。日本には出す仕組みがないと思われます。1っ発もののイベントで何人の観客を集めたか、作成した報告書の配布部数が何冊か、評価の対象です。経常的活動を支援する助成は少なくて、計測可能な数が評価される仕組みなのです。

そのような数で(目に見える数で)、事業仕訳の中で、芸術文化活動も評価されたような気がします。事業評価がされていないという助成金は悪だ、のような印象をつけられたような気がしてならない。

スポーツと文化活動の助成金・補助金の配分についても、おかしいと思うことがある。日本はスポーツ活動は優遇されている。文化活動と比較してという意味でである。逆に、文化芸術活動は冷遇されていると言い換えてもよい。スポーツは成果が数で計測しやすいということからだとは思います。1位、2位がわかるからです。でも文化芸術活動には、1位、2位がありません。根本的に優劣区別ができません。そこらへんが1番の理由なのでしょう。

スポーツは多くの学校で活動して認められているのが一般的です。でも、芸術文化活動は活動しては認められず、個人の趣味の範囲とされることが圧倒的に多い。国体(国民体育祭)は多くの人が良くわかっていますが、国文祭を知っている人はどのくらいいるのだろうか。これもひとつの原因なのだろうとは思います。スポーツに行事参加は学校公認の活動で、芸術文化行事に参加するのは著しく制限を受けている。これは事実です。私もまわりでも経験したことです。

注:国民文化祭(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1977年から始まった全国高等学校総合文化祭に対抗し、一般の団体でも全国規模で参加する文化祭をしようと当時の文化庁長官作家三浦朱門が提唱し文化庁東京都の共催で1986年に第1回大会が行われた。以降、毎年各県持ち回りで開催される。

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コメント

難問ですね。
助成金というのに頼らざるを得ないということが悲しい。
スポンサーを探すというほうが近道かもしれませんね。
どちらも難しいですが、中止になるのは悔しいですね。
子供たちの落胆振りが目に浮かび寂しくなります。
活動が上手くいくことを祈っております。

投稿: Angel RISA | 2010.02.15 03:05

> Angel RISAさん
活動は続けますよ。イヴェントがなくなっただけです。
とはいえ、残念は残念です。私たちも残念ですが、国内のいろんなグループや人たちにも2年後はこんなことやるんだよっていましたから、そちらからの落胆、ため息も聞こえてきます。

今回のイギリスとの交流計画は2008年から始まりました。
研修生として日本から2人を半年イギリスに派遣しました。
この2人を核として交流プログラムを作り上げてきました。
2009年は日本からイギリス行って合同で交流公演をしました。
2010年はイギリスから日本へ来てみやぎダンスとの交流公演を行う番でした。
ここにリーマンショックが到来して、スポーツと文化活動への助成金が軒並み減らされました。

スポンサーを探すといいますが、毎年のように協賛金をいただいているところもありますが、海外渡航のような助成はしません。ダンサー20人スタッフ10人が2週間のイギリス公演を行うと約500万円~800万円はかかると思います。
渡航活動をしない普通の年の予算額の数倍かかります。

超一流のプロといえど助成金なしに活動を継続していくのは大変です。日本で助成金なしでやっていけてる団体は「劇団四季」くらいといわれてます。
即興ダンス集団「山海塾」もフランス国からの助成金で作品作りをして、その作品を世界各国で公演しています。
いまさら言ってもなんですが、国の予算の事業仕訳での助成金についてはかなり減らされました。芸術分野での助成も大きく減らされそうです。それでなくても欧米諸国に比べると予算の少ない日本でさらに減らすのですからね。

とにかく日本では日常活動には助成金がつきません。日本の殆どの助成金の募集要綱には通常活動、特に職員への賃金等は助成の対象から外しますと明記されています。ところが欧米では、助成は日常活動に重点が置かれてなされています。長い芸術創造活動を支えるには実は通常活動への助成が大切だということを認識されていないのが日本でしょうか。

事業仕訳で目立った存在のあの方はもとはタレントじゃなかったのかな?
芸術創造の主役に人ではなかったのか?

通常活動である、みやぎダンスのインクルーシブダンスVol.7仙台公演は2月20日、21日仙台市福祉プラザで行います。今回は助成金なしでの作品です。

投稿: 大介パパ | 2010.02.17 00:29

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